ニューヨークで長くピアノレッスンをしてきた中で、今まで沢山の生徒さん/保護者さんから質問されることがこれ。

 

”どんなキーボードピアノがレッスンに適しているのか”

 

始めてお子さんがピアノを習われる中で、キーボード選びもなかなか簡単ではないですよね。 そこで今回は数あるキーボードのブランドや種類の中からレッスンするにあたって私が個人的にオススメできるキーボードをご紹介したいと思います。

 

第一話:キーボードピアノのサイズについて

キーボードには大きく分けて4つのサイズがあります。

 

  • スモールサイズ
  • 61鍵
  • 76鍵
  • 88鍵フルサイズ

 


スモールサイズ

まずはスモールサイズから。

おもちゃ屋さんなどで見かけるとても小さいサイズのピアノ。

私は物心ついて間もない頃にカシオの卓上サイズキーボードでまずドレミファソを覚えました。

レッスンする年頃ではなかったので母親が遊び感覚で知っている限りの弾き方を教えてくれたのを今でも覚えています。 私はそれを弾くのが大好きでした。

レッスンするくらいのレベルに適しているのかどうか?

残念ながらオススメしません。

私はピアノスキルを導入するにあたって、ドレミの音を覚える、 音符を覚えるだけでなく、ピアノの音色、高低、距離感を覚える訓練をします。 頭を使って考えるだけでなく、耳や体を使い、直感的なものを子供に感じ取ってほしいからです。

その中で卓上サイズだと本来ピアノが持っている能力を十分に発揮できませんし、特に訪問レッスンの場合、先生が横で一緒に弾いてあげることも難しくなります。 (遊び感覚で、まだレッスンにはReadyではないが子供におもちゃ感覚で使わせてあげる方法はもちろん素晴らしいと思います。)

 

61 鍵モデル

デジタルピアノは大まかに分けて3通りのサイズがあります。

一番小さいものが61鍵盤モデルです。

61鍵盤は5オクターブあり、小さいお子さんの体のサイズであれば十分に使用できる範囲です。(主に音楽に大切な音の高さ低さを感じ取る目的)

YAMAHA だとシンプルにこの商品が良いと思います。

Yamaha NP12 61-Key Lightweight Portable Keyboard, Black (power adapter sold separately)

メトロノームや録音機能もついているようなので鍵盤の指を鳴らすという目的では問題ないと思います。

ただ、小さいモデルの場合は鍵盤のタッチがどうしても軽いものになってしまうのでよりピアノに近い感覚でレッスンをしたい場合には、物足りないと感じると思います。

 

76鍵盤モデル

次に大きいサイズは76鍵盤、6オクターブになります。

76鍵盤には私は個人的にヤマハのPシリーズをお勧めします。 一番低い音はミ、一番高い音はソの音になります。

過去にたくさんの生徒さんたちがこの76鍵盤モデルを使用しています。

Yamaha NP32 76-Key Lightweight Portable Keyboard, Black (power adapter sold separately)

だいたいレベル的には初級ー中級に差し掛かったぐらいでしょうか。

76鍵盤は十分に応用がきくサイズなのですが、やはりそれでも多数の生徒さんや保護者の方から”練習しようと思っていた曲の一番低い音が自分のキーボードにはない”というお話をききました。

特にアメリカの教材は譜読みを強化させるだけでなく、音に触れる、音を楽しむということを中心に進んで行くことが多いため(一番低い音をここで弾いてみよう、etc)、 その場合にレッスンでしかその音を弾けません。

子供たちはお家で普段練習しない音をレッスンだけでなく、家でも弾きたいな、と思うようになり、 やがては88鍵盤サイズに移行する、といったケースがよくみられます。

 

88鍵盤モデル

88鍵盤は、アコースティックピアノと同じ鍵盤数で、クラシックの全てのレパートリーをカバーします。

88鍵盤の中でもタッチセンシティブ(Yamaha だとGraded hammers、Weighted Keys と呼ばれたりする)機能のついたキーボードはさらにアコースティックピアノの原理に近い状態になります。

クラシックやジャズ音楽を奥深く楽しみたい、のちにアコースティックピアノに移行したいとお考えの方はこちらをお勧めします。

アダルト初級者の方もこちらのサイズをご購入されるケースがほとんどです。

アダルトの生徒さんは一般的にレッスン上達度も早く、モーツァルトやベートーヴェンなどのレパートリーを学ぶ機会も多くあります。 体のサイズをとっても88鍵モデルが一番馴染みやすいのではないでしょうか。

Yamaha P125 88-Key Weighted Action Digital Piano with Power Supply and Sustain Pedal, Black

 

講師としての私のオススメは・・・

 

もちろん88鍵盤モデルです。

 

61鍵盤や76鍵盤からレッスンを始めても全く問題がないことは確かです。 ただこれらのサイズにはタッチセンシティブの機能がほとんどついていない(付くいても軽い程度のもの)ことがまず一つ。 そして、レッスンを2−3年続ければいずれは88鍵が必要になってきますので、いずれ買い換える必要性を考えるとはじめからこのサイズを使用した方がコストの効率もよいのでないでしょうか。

 

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